- 「辞めたい」と上司に言ったら、「代わりの人を見つけてからじゃないと駄目」と言われた。
- 未経験で採用してくれた職場だし、揉めて辞めたくない。
- 代わりの人を見つけるなんて私にはできない。
せっかくお世話になったのだから、円満に退職したいものです。あなたも円満に退職したいからこそ、オーナーに「辞めたい」と言ったのでしょう。
しかし、オーナーから「代わりの人を見つけてから」と言われても、解決できずに困り果てます。結論から言うと、あなたは辞めても大丈夫です。
「代わりの人がいないこと」は、バイトを辞めさせない根拠にならないからです。
- そもそも1人辞めても経営はどうにかなる
- 代わりの人材を見つける仕事を担当していない
- 引継ぎをすればＯＫだから
1人辞めたぐらいで会社がなくなるなら、その会社は本当に危ないので辞めましょう。
この記事を読めば、「私がいないと会社が回らない」という考えに迷うことなく、退職を決意できます。
退職は会社にとって困るだけど、マトモな会社は退職を前提に経営している
退職が会社にとって「負担」であることは事実です。
そもそも、従業員が退職することは会社にとってコストのかかる出来事です。
- 人手不足： 即戦力が抜けて現場が回らなくなる
- 採用コスト： 代わりの人をスカウト・採用する費用がかかる
- 教育コスト： 新人に初歩的な業務から教え直す必要がある
どれだけ丁寧に引継ぎをしたとしても、一時的に会社や同僚に負担をかけてしまうのは避けられません。
「迷惑をかけるから辞められない」と悩む必要はありません。
なぜなら、退職は法律で保障された労働者の権利であり、「従業員はいつか辞めるものである」という前提で組織を運営するのが、経営者の役割だからです。
民法では、退職について以下のように定められています。
民法第627条には「雇用の期間に定めがないときは、解約（＝退職）の申入れから２週間が経過すると雇用契約が終了する。」とあります。 労働相談Q&Aより引用
つまり、法律上は「2週間前に伝えれば退職できる」というのが法律で決まっています。
もし、従業員一人が辞めることで業務が破綻したり、現場が大混乱したりするのであれば、それは辞める人の責任ではありません。
合法的な退職手続きに対して、人員補充の準備ができていない会社側の「経営責任」です。
これは交通ルールと同じです。「忙しいから」といって赤信号を無視して事故を起こせば、運転手が罰せられます。
同様に、「忙しいから」といって退職という当たり前のルールに対応できない経営体制こそが問題なのです。
私がいなくなったら、残された人は大変だろうな
と考えてしまう人は周りの目を気にしすぎです。職場は辞めた人が出ても大丈夫なように経営しています。
まともな職場であれば、誰か一人が欠けても組織が回り続けるように仕組みを作っています。
周りの目や一時的な負担を気に病むよりも、ご自身の権利とこれからのキャリアを優先してください。
バイトが代わりの人材を紹介する必要がない理由：4選
確かに、誰かが退職することで、一時的に現場が忙しくなることはあります。しかし、それに対して過度な責任や罪悪感を感じる必要はありません。
会社は本来、「従業員はいつか辞めるもの」という前提で経営を行うべきです。
なぜなら、職業選択の自由や退職の自由は、法律で認められた労働者の権利だからです。
「人手不足だから辞めないでほしい」というのは、あくまで会社の都合に過ぎません。
会社の都合で、あなたの「辞める権利」や「これからの人生」を制限することはできないのです。
- 「人手不足」は退職を制限できない
- バイトが採用の業務をできるわけない
- あなたがいなくても会社は回る
- 退職する会社が潰れてもいい
「人手不足」は退職を制限できない
会社側がどれほど「人手が足りない」「今辞められると困る」と主張しても、法律上、退職を制限することはできません。
民法では、期間の定めのない雇用契約（正社員や長期アルバイトなど）について、以下のように定めています。
雇用の期間に定めがないときは、解約（＝退職）の申入れから２週間が経過すると雇用契約が終了する（民法第627条第１項）。
連合（日本労働組合総連合会）より引用
退職の理由は問われず、「2週間前」に退職の意思を伝えれば、会社の承諾がなくても辞めることができるというのが法的なルールです。
会社側ができるのは、あくまで「相談」や「お願い」までです。
- 「あと1ヶ月だけいてくれないか？」
- 「次が決まるまで待ってほしい」
このように退職時期の延長を打診されることはありますが、これに応じる義務は労働者にはありません。
「一人が辞めたら店が回らなくなる」という状況は、辞める人の責任ではなく、ギリギリの人員配置で運営してきた経営者や管理職の責任（マネジメント不足）です。
- 欠員が出た際のリスク管理
- 新しい人材の採用活動
- 業務が回る仕組みづくり
これらは経営側の仕事です。労働力を提供しているだけのバイトが、経営上のリスクまで背負う必要はありません。
労働法などのルールを守れないまま経営を行い、トラブルになっているのであれば、その不利益を被るのは準備を怠った会社側です。
堂々と退職の権利を行使して問題ありません。
人手を確保するのは経営者の責任です。
バイトが採用の業務をできるわけない
求人広告をどこのサイトに掲載しているの？知らないわ。
採用の基準なんて知らないよ。
人を探すことは経営者や店長が行うべき業務であり、「求人広告の出し方」も知らないアルバイトに丸投げするものではありません。
労働者が「辞めます」と伝えてから、2週間で新しい人を採用することは、会社にとっても簡単ではありません。
退職を申し出てから2週間以内に、新しい人を採用して育てることは、本職である会社側にとっても非常に難しい課題です。
もし、誰でも簡単に2週間で人員補充ができるなら、世の中でこれほど「人手不足」が問題になることはないでしょう。
「代わりが見つかるまで辞めさせない」というのは、マネジメント能力不足の責任転嫁に過ぎません。
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求人を出す
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面接をする
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人員配置を調整する
これらは経営者の仕事です。人手不足を気にして退職をためらう必要はありません。
あなたはご自身の退職手続きだけを進めてください。
あなたがいなくても会社は回る
結論から言うと、バイトが1人退職した程度で会社は潰れません。会社という組織は、欠員が出ても業務が継続できるように設計されています。
もしすぐに後任が見つからなくても、会社は以下のような方法で必ず対応します。
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既存のスタッフで業務を分担する
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他部署や他店舗からヘルプを呼ぶ
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派遣社員や短期バイトで急場をしのぐ
会社は「誰かがいなくなること」を想定して経営されています。あなたが抜けた穴は、必ず組織の力で埋められるのです。
そもそも、労働者が職場を離れる理由は退職だけではありません。法律で認められた様々な権利を行使することでも、一時的な「不在」は発生します。
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有給休暇（アルバイトにも法律で保障されています）
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病気や怪我による休職
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産休・育休などの長期休暇
まともな会社であれば、これらの不在が発生しても業務が回るように余裕を持たせています。
もし「1人休んだだけで倒産する」ような脆い会社ばかりなら、コンビニや電車といった社会インフラは維持できません。
「現場が大混乱するのでは？」と心配になる気持ちもわかりますが、案外なんとかなるものです。
個人的な経験ですが、私がかつて働いていたコンビニでは、1ヶ月の間に5人のスタッフが一斉に退職したことがありました。
一時的にシフトは厳しくなりましたが、それでも店が潰れることはなく、現在も営業を続けています。
「私がいなくても、会社はどうにかして回していく」。そう割り切って、自分の人生を優先してください。
辞める会社が潰れてもいい
極論を言えば、あなたが退職した後にバイト先が潰れてしまっても、あなたには何の関係もありません。
会社という組織がなくなったとしても、あなたの人生や命が失われるわけではないからです。
「辞めよう」と決めた会社に対して、過剰な情けや責任感を持つ必要はありません。
冷たいようですが、退職してしまえばそこは「過去の場所」。割り切って考えることが大切です。
もし上司から「君が辞めたら店が回らない、会社が潰れる」と脅しのような引き止めにあっても、気にする必要はありません。
むしろ、１人のアルバイトに依存しなければ維持できないような経営体制にこそ問題があります。
心の中でこう唱えて、聞き流しましょう。 「それなら、そんな危うい会社は潰れてしまっても構わない」
会社は潰れてもいいけど、人は潰れてはいけないからです。
無理をして働き続け、あなたの心や体が壊れてしまうことの方が、会社が倒産することより何倍も大きな損失です。
会社は作り直すことができますが、あなたの代わりはいません。
会社を守るために自分を犠牲にするのではなく、自分を守るために会社を見限る勇気を持ってください。
迷惑にならないように引き継ぐ
ここまで「代わりの人を見つける必要はない」と解説しましたが、連絡もなく突然辞める（いわゆるバックレ）のはマナー違反であり、会社も現場も困ります。
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急な欠員でシフトが回らなくなる
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何も知らされていない同僚が混乱する
こうした事態を避けるために必要なのが「引き継ぎ」ですが、身構える必要はありません。
正社員のような複雑な業務引き継ぎは、アルバイトには基本的に求められません。
大学生やパートの方にとって、一般的な引き継ぎとは「退職日まで、今まで通りシフトに出勤すること」。
これだけで十分です。
- 最終日までシフト通りに出勤する
- 制服や貸与された道具を返す
- 私物を持ち帰る
「私が辞めたら仕事のやり方が分からなくなるのでは？」と心配する必要はありません。
アルバイトの業務は、基本的に誰でもできるようにマニュアル化されています。
あなたが担当していた業務は、店長や社員も必ず把握しています。
「道具の置き場所」や「備品の在庫」など、細かい点が気になるなら、勤務中に相談すれば十分です。
貸与物を返却し、最後のシフトを終えれば、引継ぎ完了です。
もし有給休暇が残っているなら、最終出勤日のあとに有給消化期間を設けて退職するのも賢い方法です。
複雑に考えず、最後までいつも通り働いて、気持ちよく去りましょう。
まとめ：代わりの人なんて見つけれないから辞めよう
代わりの人材を紹介するまで退職を認めないという発言に対してバイトは拒否できます。
会社に対して退職することは迷惑だけど、後任の人に引継ぎをすれば問題ありません。
- 代わりの人なんて紹介できない
- 代わりの人がいなくても退職の権利は保障されている
- 1人が辞めたぐらいで会社は倒産しない
退職について他にも疑問がある人は以下の記事を参考にしてください。
