- 本を1冊読み切りたいけど、いつも途中で挫折してしまう
- 簡単な本ばかり読んでいては、力がつかないのではないかと不安
- 参考文献にある本を読めばいいというけど、数が多すぎる
結論として、読書習慣がない人が知識を確実に身につけるための最短ルートは、プライドを捨てて「最も簡単な入門書」から読み始めることです。
そして、「同じ著者の本を徹底的に読む」ことから始め、次に「同じ分野の別の著者を読む」というステップを踏むことで、誰でも無理なく知識の軸と教養を手に入れることができます。
- 簡単な本を選ぶ方法
- 同じ作者を選ぶ方法とメリット
- 同じ分野の違う作者を読む方法とメリット
- 同じ分野の本を探すときは作者の数は3人まで

同じ作者の本を追いかけて読めば、知識は増える
【前提】本を1冊読み切る必要があるから、簡単な本を選ぶ

読書が続かない最大の理由は、気合を入れて「難しすぎる本」を選んでしまうことにあります。
このハードルを下げない限り、知識の習得は始まりません。まずはプライドを捨てて、「今の自分でもスラスラ読める本」を選ぶのが戦略です。
『ゼロからわかる~』といった入門書から入り、全体像を掴むことから始めます。
私も初めて学ぶ本は簡単な本から選びます。
初学者が入門書を選ぶことは全く恥ずかしいことではないのです。
書店やAmazonで本を探すときは、あえて以下のキーワードが入った本を選んでみてください。
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「図解」
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「超基本」
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「マンガでわかる」
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「14歳からの~」
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「〇〇できない人のための」
これらの本は、知識がない読者のために丁寧に作られています。
【方法1】同じ作者の本を借りる

運良く「面白い」「わかりやすい」と思える1冊(A本)に出会え、それを完読できたとします。
多くの人は「次は違う人の本を読んでみよう」と目移りしてしまいますが、これは悪手です。(私もやりました)
読書初心者が最短で知識を深めるなら、「同じ著者の別の本(B本、C本)を徹底的に読む」のが正解です。
1冊読み切った本をゲームの攻略本のように利用しましょう。
同じ著者の本であれば、驚くほどスムーズに読めます。おすすめの読み方は以下の通りです。
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新しい「B本」と、読み終わった「A本」を横に並べる(併読)。
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B本で分からない箇所があれば、A本の同じ内容のページを読み返す。
A本を「攻略本」として使うのです。理解済みのA本ならすぐに内容を思い出せるため、つまずかずに読み進められます。
これを繰り返せば、知識を積み上げられます。
なぜ、同じ著者にこだわることが有効なのか? 理由は以下の3つです。
内容がほとんど一緒だから
一人の著者が持つ主張や信念は、どの本でも大きく変わりません。
例えば、「好きなことを仕事にしろ」と言う著者が、別の本で「嫌なことでも我慢しろ」と正反対のことを言うことはまずありません。
表現や切り口が変わっても、核となるメッセージは同じです。
同じ著者の本を繰り返し読むことで、その主張が何度も刷り込まれ、あなたの頭の中に強固な「知識の軸」が出来上がります。
基礎知識が身についているから読める
初めて読む著者の場合、文体や論理展開に慣れるまで脳は多くのエネルギーを使います。
しかし、2冊目、3冊目となると、すでにその著者の「文章のリズム」や「用語の定義」が頭に入っているため、脳の処理負荷が劇的に下がります。
「この著者はこういう言い回しをするな」と予測がつくため、驚くほどスラスラ読めるようになります。
これは、通学路を最初は緊張して歩いていても、慣れれば無意識に歩けるようになる感覚と同じです。
著者の考えをとにかく知ってみる
色々な人の本をつまみ食いするよりも、一人の著者を10冊読む方が、知識の世界観(体系)を深く理解できます。
自分の中に「基準(軸)」がない状態で、多種多様な意見に触れると情報の波に溺れてしまいます。
まずは一人の著者を「先生」と決め、その人の思考を徹底的にインストールしてください。 自己流で行動するのは、その「基準」ができてからでも遅くはありません。
【方法2】同じ分野の違う作者を選んで読む

同じ著者の本を数冊読み込み、「飽きてきた」と感じたら、次のステップへ進む合図です。
次は「同じ分野の、別の著者」の本を選びましょう。
選び方はシンプルです。Amazonなどのネット書店を使い、以下の3つの方法で候補を探します。
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キーワード検索 :検索窓に「分野名 + 入門(基礎)」と入力します。 例:「睡眠 基礎」「マーケティング 入門」
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レコメンド機能の活用: 気になる本をクリックし、ページ下部の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」をチェックします。
- 読み終わった本から探す :いま読み終えた本(A本)を検索してみましょう。その本のページにも「おすすめ」が表示される
面白そうな本が見つかったら、まずは図書館で予約してみるのがおすすめです。
無料で借りられるため、もし自分に合わなくても金銭的なダメージはありません。
基礎知識が身についているから、違う作者の本を読める
同じ分野の本であれば、著者が違っても書かれている「基礎知識」は共通しています。
例えば、睡眠の本なら「寝る前のスマホはNG」「睡眠不足はパフォーマンス低下の原因」といった記述は、どの学者の本にも必ず出てきます。
すでにあなたの中に知識のストックがあれば、そうした既知の部分は「ああ、あの話ね」と一瞬で理解し、斜め読み(スキップ)することができます。
結果として、その著者独自の「新しい視点」だけに時間を割けるようになります。
知識が増えるほど読書スピードが上がるのは、この「既知情報を飛ばせる」という原理によるものです。
ただし、著者が変われば文体も変わります。慣れるまでは、違う著者であっても「簡単な本」から読み始めるのがコツです。
視野を広げられる
著者が変われば、同じテーマでも主張が変わることがあります。
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A氏:「効率化こそ正義」
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B氏:「効率化には罠がある」
このように意見が食い違う部分を見つけることで、初めて「比較検討」が可能になります。
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共通点: 「A氏もB氏も言うなら、これは定説に近いな」
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相違点: 「意見が割れているから、まだ結論が出ていない論点なんだな」
一つの事象を色々な視点から見ることで、単なるバラバラの知識(雑学)が統合され、立体的な理解へと変わります。
「知識の軸(一人の著者)」を作った後に、「視点を広げる(複数の著者)」。
この順序を守ることで、偏見を防ぎ、あなたの知性はより深みのあるものへと進化します。
注意点:参考文献は全部読まなくていい

本の巻末にある「参考文献リスト」の扱いに注意してください。
真面目な読書家ほど、参考文献リストにある本を図書館で片っ端から予約したり、購入したりしようとします。
しかし、初心者のうちは、参考文献リストを扱いについて注意点があります。
理由は2つあります。
難しい本がある
考文献の多くは、著者が執筆のために読み込んだ学術書や論文(いわゆる「タネ本」)です。
これらはプロ向けの専門的な内容であり、一般読者には難しすぎます。
「分かりやすい入門書」で理解できた気になっていても、その元ネタである専門書に挑めば、再び高い壁にぶつかってしまいます。
数が多すぎる
一冊の本には数十冊もの参考文献が載っています。その中から今の自分に合う本を見極めるのは至難の業です。
参考文献の数は2ページ以上ある場合もあります。全部30冊以上もあるので全て借りることは大変です。
「どれを読めばいいんだろう」と迷っているうちに時間は過ぎ、せっかくの読書への熱意も冷めてしまいます。
解決策 同じ分野で読む違う作者は3人まで
解決策はシンプルです。
「同じ分野で読む著者は3人まで」と制限をかけましょう。
一人の著者を深掘りし、その後に別の視点を持つ著者を2〜3人読めば、その分野については基礎知識はかなり身に付きます。
制限をかけないと、際限なく本を買い込み、自分の考えが整理できなくなります。
「3人読んだら、自分の知識を確認する」「余裕があれば1人追加する」。
これくらいの軽快なサイクルで回していく方が、結果として幅広い教養が身につきます。
最後:1冊の成功体験が、次の読書へつながる
最初の一冊さえ読み通せれば、あとは「芋づる式」に本を増やしていけます。
同じ著者を追いかけたり、似たテーマの入門書を読んだりすることで、あなたの知識は無理なく広がっていきます。
「読めた!」という自信をエネルギーに変えて、次の本を手に取ってみてください。
- 挫折しないコツは「自分でも読める簡単な本」を選ぶこと
- 次に読むべきは「同じ著者の本」(読める可能性が高い)
- 飽きたら「同ジャンルの別著者」も読んでみる
- 参考文献にあるすべての本を借りなくていい。
