- 早く読んでも内容が頭に入らない
- 難しい本で早く読めるとか・・・ウソだろ。
- 楽して早く読めるようになりたい。
「本を読む力」にはコツがあります。そしてそのコツは、特別な才能ではなく、ちょっとした意識の変化と習慣づけで誰にでも身につけられます。
その方法は読みたい分野の基礎知識や経験があれば本を読めるということです。プロ野球に詳しい人が野球小説をスラスラ読めるのは、その世界に知識や経験があるから。
この記事では、「どんな本でも大量に読める」ようになるためのヒントや実践的な方法をご紹介します。
- 読書時間が足りないと感じている人
- 短い時間の積み重ねで本を読みたい人
- どの本を選んでいいのかわからない人

基礎知識があれば、何回でも本を読んでみましょう。

スキマ時間でも実践できる!
読みやすさと特徴
『どんな本でも早く読める』は、速読に関する誤解を解きながら、効果的な読書方法を紹介する1冊です。
本書の特徴として、図解を用いて視覚的に理解しやすい点や、専門用語が丁寧に説明されている点が挙げられます。
難しい言葉も少ないため、本を読み始めた人でもスムーズに読める内容になっています。
本を効率よく読むコツや、速く読むための方法がわかりやすく解説されている本です。
本書で学べたこと:3選
本書では、「知識がある分野の本は速く読める」という考えを次のように説明しています。
速く読む力は「知識」と「経験」で決まる
速く読めるかどうかは「知識」と「経験」が大きく関わっています。
例えば、阪神タイガースのファン歴が長い人は、阪神タイガースの歴史に関する本を素早く読むことができます。それは、すでに選手名や野球のルールを知っているため、内容をすぐに理解できるからです。
逆に、野球を事を知らない人がプロ野球の球団史を読んでも、変化球の名前やルールの仕組みが分からず、読むスピードが遅くなります。
知識のない分野では速読できません。「その分野の知識がどれだけあるか」によって読書スピードは変わるのです。
あなたがハリー・ポッターに詳しければ、その関連書籍を速く読めるのと同じですね。

プロレスに詳しい人なら、プロレスの本というわけよ。

その分野の知識が大事なんだよ。
早く読む感覚がわかる
「1冊の本を10分で読める」と聞いても、どんな感じかイメージしにくいですよね。わたしも「早く読む感覚」を理解できませんでした。
単語レベルで「音にしないで見る」のは、われわれが普通に行っていることです。たとえば、ラーメン屋さんや定食屋さんに入って、壁に貼られたメニューを見るときを思い出してください。
「しょうゆラーメン 六〇〇円」 「みそラーメン 七〇〇円」 こういったメニューを、いちいち「し ょ う ゆ ら あ め ん」と読まないでも、一瞬で理解していますよね。実は、誰でも行っていることなのです。

ラーメン屋のメニューは一瞬で理解できるわね。
何故判断できるのかと言えば、ラーメンの味や見た目について食べて経験して知っているからです。メニューを「見るだけ」で内容が頭に入ります。
音にしないで読むという感覚ー。実は、本を速く読むときもこの感覚が大切です。

一瞬で理解するには「経験」と「知識」が大事よ。

英語が読めないのに、洋書を読んでも理解できないよね。
読む目的は決めなくていい
目的を決めて本を読むことには、ひとつ弱点があります。それは、「知りたいことしか知れない」ということです。
関東の観光地について書かれた本を読むとき、「茨城県について知りたい」と思って読むと、他の県の情報には目を通しません。
これネット検索と一緒なんですよね。「群馬について調べよう」と検索すれば、群馬のことだけが出てきて、埼玉や長野のことには気づけないのです。
でも、目的を決めないで本を読むと、「群馬の話を読んでいたのに、なぜか埼玉県や長野県の話まで気になってきた」というように、予想していなかった内容に出会えます。
この「思ってもみなかったことを知る」という体験こそが、読書の大きな魅力です。本を読んでいるうちに、最初の目的が変わってくることもよくあります。「この本に出会って、考え方が変わった」と感じた経験が自分の価値観を広げてくれます。
読みたいことを決めて読むことは効率がいいけれど、自分の考え方や価値観を広げるチャンスを見逃してしまいます。
本のペースに巻き込まれることで、予想もしていなかった世界に引き込まれるような体験を味わえます。
実践したこと
何度も同じ本を短い時間で読む
短い時間で何度も同じ本を読む方が、内容が頭に入りやすくなることを本書を読んで知りました。
本を読み始めた頃の私は本を読むとき、キッチンタイマーで15分だけ本を読むと決めていました。長くても30分。それ以上読むと飽きてしまうことがあるからです。でも、短い時間で何度も読めば、自然と内容が頭に残るようになります。
1回目はよくわからなかったところも、2回目や3回目に読むと「あれ?ここって、そういう意味だったのか!」と気づけることがあります。これは、本の内容や言葉に少しずつ慣れていくからです。そして、くり返すことで全体の流れもつかみやすくなります。
たとえば、1回目に読んだときは「ふーん」と思って流していた部分が、2回目には「これ、すごく大事なことかも」と感じられたり、自分の考え方にぴったり合ったりすることがあります。これは、自分の中の知識や経験が少しずつ変わっていくからです。
また、「本は二度以上読まないと、本当の読書じゃない」という言葉もあります。1回読んだだけでは気づけないことが、くり返すことで見えてくるのです。
だからこそ、本を読むときは、「一度で全部わかろう」としなくて大丈夫。タイマーを使って、短い時間で何度も読んでみると、驚くほど理解が深まりますよ。読書は回数を重ねるほど、おもしろくなっていきます。
頭の中で声に出して読まないようにした
本を読むとき、頭の中で声に出して読んでいませんか?じつはそれ、読むスピードを遅くしてしまう原因のひとつなんです。
私たちは、小学校などで「音読」の練習をたくさんしてきました。そのせいで、本を読むときに心の中で自然と音をつけてしまうことがあります。でも、長い文章を読むときには、その「音にする」習慣がスピードを下げてしまうのです。
たとえば、一文字ずつ声に出すように読もうとすると、文字に集中しすぎて視野がせまくなります。その結果、目の動きもゆっくりになってしまいます。読むのが遅いと感じるとき、知らず知らずのうちに心の中で音読していることが多いんです。
でも、読むスピードが遅いと分かっていれば大丈夫です。たとえば、車で時速20キロしか出ていないときに「今はゆっくり走ってるんだな」とわかっていれば安心ですよね。それと同じで、「今、自分は心の中で音読しているから遅くなっているんだな」と気づけることが大切です。
速く読むためには、「音にしないで見る」ことがコツです。声に出さず、ただ目で文章を追うだけで意味はちゃんと伝わってきます。慣れれば、どんどん読むスピードも上がりますよ。
最初は少しむずかしく感じるかもしれませんが、「見るだけで読む」感覚をつかめば、読書がもっと楽しく、スムーズになります。
目次・最初に・最後を拾い読みする
「本を速く読むには、目次や前書き、あとがきだけ読んで全体をつかむといい」と方法を私もやってみました。結果はイマイチでした。原因は基礎知識がないのに、難しい本を読んだからです。
試した本は『東国の戦国合戦』という歴史の本です。目次を見て、前書きとあとがきを読んでから、わかりそうなところだけを拾い読みしてみました。でも、内容がまったく頭に入ってこなかったのです。
たとえば「武蔵」という言葉が出てきても、「どこそれ?」という状態では、見出しを読んでも意味がわかりません。基礎知識がないと、どこを読んでもちんぷんかんぷんで、私は「もう読書はいいや」となってしまいました。
この体験からわかったのは、速く読むためには、その分野についての知識が必要だということです。まったく知らないテーマの本を速く読むのは難しいのです。だからこそ、初めての分野にふれるときは、無理に速く読もうとせず、まずは基礎知識を少しずつ身につけてから読むことが大切だと気づきました。
改善策
本の選び方:自分に合った本を見つけるコツ
最初から目次や見出しだけを拾い読みしても、内容がよくわからず、ストレスを感じてしまいます。
そんなときに効果的なのが、「簡単な本を何度も読む」という方法です。
小学生向けに書かれたやさしい本や、最新のマンガ形式の本などは、言葉や表現がわかりやすく、内容にも入りやすいのでおすすめです。実際に私は、あるテーマについて知りたくて難しい専門書に挑戦したことがありますが、途中で挫折してしまいました。でも、同じテーマのマンガやDVDを見たことで、概要が頭に入り、そのあと専門書を読むのがぐっと楽になったのです。
マンガやDVDには、ストーリーやイラスト、映像といった視覚的な情報があるため、頭に残りやすく、理解の助けになります。「内容はわからなくても目次だけ読めばいい」という方法がうまくいかなかったのは、そのテーマに関する基本的な知識が足りなかったからです。
簡単な本を何度も読むと、自然とそのテーマに関する言葉や考え方に慣れていきます。そして、知識が積み重なると、もっと難しい本でも内容がわかるようになります。つまり、「理解しながら繰り返し読むこと」が、結果的に速く読める力につながるのです。
読書が苦手と感じる人も、まずは自分に合った簡単な本から始めて、何度も読み返してみてください。それが、難しい内容を理解するための一番の近道になるはずです。
1冊の本を色んな方法で読んでみる
本を1度読んだだけで内容を理解するのは、意外と疲れてしまいます。特に目で文字を追うだけの読書は、集中力が続かず飽きます。
だからこそ、「読む」だけでなく、いろいろな方法を組み合わせることが大切です。
たとえば、本の1章を読んだあとに、白紙に思い出せることを書き出してみましょう。自分がどこまで理解できているのかが目に見える形でわかります。書けなかった部分は「まだよくわかっていないところ」だと気づけるのもポイントです。
さらに、その内容をマインドマップのように図にまとめるのもおすすめです。たとえば、歴史の本を読んだなら、登場する武将たちの名前を思い出して、関係図を作ってみましょう。自分で手を動かしてまとめることで、記憶に残りやすくなります。
また、問題集を解いてアウトプットすることも効果的です。読むだけだと飽きてしまっても、問題を解くことで内容が頭に定着しやすくなります。音読して声に出してみる、感想を紙に書く、関連する動画を見てみるのも良い方法です。
2回目以降の読書は「内容を知っているからつまらない」と感じることがありますが、アウトプットを取り入れると、新しい気づきや理解が生まれて、飽きずに学び続けることができます。知識を自分のものにするには、読む・書く・話す・解くというさまざまな方法をうまく使い分けることが大切なのです。
電子書籍を読む
電子書籍は、読書を効率よく進めるための便利な道具です。ページをめくる必要がなく、キーボードの矢印キーを押すだけです。
読むスピードも自然と速くなります。また、わからない言葉が出てきたときには、その文章をハイライトしておけば、あとから簡単に見返すことができます。これは、重要な情報を効率的に覚えるのにとても役立ちます。さらに、そのハイライトを元に、自分だけの問題集を作ることもできます。たとえば、英文をコピーして、意味を空欄にするクイズを作ると、復習にもなります。
感想を書きたいときも、電子書籍は便利です。ハイライトした文に、自分がどう感じたか、なぜ印象に残ったのかを書き添えておくと、後から読んだときに「このときこんなふうに思っていたんだな」と振り返ることができます。Kindleのような電子書籍アプリでは、ハイライト部分をメモアプリにまとめて保存できるので、とてもスムーズです。
もちろん、紙の本にもよさがあります。本の手ざわりや重さなどが、記憶を呼び起こす手がかりになることもあります。ですので、電子書籍と紙の本の両方を使い分けるのが理想的です。図書館で本を借りてきて、電子書籍と一緒に読むのもいい方法ですよ。
最後
『どんな本でも早く読める』は特別な技術がなくても、知識と経験を積み重ねることで速く読めるようになることを教えてくれました。
同じ本を繰り返し読むことで、内容の理解が深まり、読むスピードも上がります。
本書では、本を早く読めるになる本質を教えてもらいました。
- 基礎知識があれば、本を読めるになる
- 頭の中で音読しなくていい
- 短い時間で本を読めばいい
- 自分にあった本を何度も読む